いいわたし@磐田市

鬼頭英一さん

移住のきっかけ

写真:鬼頭英一さん1

「めぐり合わせが重なった」
東京都に住んでいるときは、外食産業の企業に20年間勤めていました。勤めていく中で、有機農業にチャレンジしたいという思いが芽生えました。ノウハウや農地もなかったので、東京都近隣の千葉県や埼玉県の農家に研修を依頼したり、土地を探したりしました。でも、研修を受け入れる農家や、自分の理想「規模が小さくてもやっていける農業」をする農家がなかなか見つかりませんでした。必死になって探したところ、静岡県浜松市に理想的な有機農業をしている農家を見つけました。その農家の方の人柄がよく、妻の実家がある磐田市からも通える場所にあったので、磐田市に移住することになりました。

東京都と比べた磐田市の住み心地は

写真:鬼頭英一さん2

「自然が満喫できる。子育てにもいい」
東京都に住んでいましたが、都会に住むことが好きだったわけではなく、自然に囲まれた環境が好きなんです。自分の子どもには、自然の中で育ってほしいという思いがありました。今の環境は、すごく落ち着いて暮らせています。
子どもは畑にできる野菜の葉っぱを見て、野菜の種類がわかるようになりました。自然と身についたことですが、都会で暮らしていたら、きっとそんなことをわかることなく育っていたんじゃないかな。ただ、子どもは、私が農業を仕事にしているという認識はまだないみたい。「お父さんは会社に行くのが仕事じゃなくて、畑にいるのが仕事なんだよ」っていうのは伝えるようにしています。

磐田市のいいところ

「海老芋はもっと知ってもらいたい」
自然が豊かなことがなにより魅力です。人柄も温かくて、私のような移住者であってもお付き合いをしやすいです。
海老芋って、東京都にいるときは知りませんでした。海老芋は知られていても、産地が磐田市ってことはさらに知られていないと思います。産地だと知ってもらえれば、栽培したいと興味を持つ農家が移住してくるかもしれないですよね。独特の粘りと口当たりは、ぜひ食べてもらいたい。京野菜のひとつで、京都の料亭で使われていることも多いから、京都で栽培されているイメージがあるかもしれないけど、「磐田市が日本一の産地」ってことをもっと知ってもらいたいです。

磐田市に来て変わっていると感じたこと

「お祭りのスタイルが違う」
磐田市に住んでからお祭りを見たときはカルチャーショックを受けました。東京都にいた時は、わたあめや焼き鳥の露店なんかが出揃っている場所に参加するのがお祭り、御神輿を担ぐのがお祭りでした。磐田市は、みんなで参加してみんなで作り上げるものがお祭り、屋台をみんなで引き廻すのがお祭り。同窓会の意味合いまであって、お祭りになればみんなに会えるって感じですよね。子どもも参加しているので、自分の子どもを知ってもらったり、近所の子どもを知ったり、地域の人に顔を覚えてもらうのに、非常に大切なイベントだと感じました。

現在の仕事で大切にしていること

「天気のせいにしない。とにかく早めの準備が重要」
朝は8時くらいから日が暮れるまで仕事をしています。季節によって終業の時間は違います。春と秋は18時、夏は20時、冬は17時まで。自然と共に仕事をしています。
午前中は、朝、収穫した野菜を自然食品の店や飲食店に配達へ行きます。午後から畑で作業して1日が終わります。配達先は、磐田市や近隣市がメインです。
私の行っている農業は、早めの準備をなにより大切にしています。年間スケジュールを立てて、収穫したい時期から逆算した時期に、確実に種や苗を植えるよう心掛けています。一度雨が降ると、2~3日は植えることができなくなるので、スケジュールが全てずれます。改善点を探して対応する、それの繰り返しです。そういう部分は、会社勤めの仕事と同じだけど、天気の影響を強く受ける点と、植え遅れれば絶対に結果(野菜)がでないという点は、違います。野菜が収穫できるのはあくまで結果で、植えるまでの準備がすべて。天気のせいにはできないんです。

農家としてチャレンジをすることに不安はなかったか

「考えて行動すれば道は開ける」
周りの人からは、「農業では食っていけない」と散々言われました。ただ、考えて行動すれば道は広がると信じていました。農業を始める前は、農地探しに苦労しました。市の農林水産課や県の農林事務所にも相談しましたが、最終的には歩いてがむしゃらに探しました。農業を始めて1年目は本当に失敗続きでした。野菜も思ったとおりにできないし、安定供給もできないし、販路も広がらなかった。2年目は夏までに野菜もそこそこできて、販路も新規開拓や紹介をいただいて広げることができました。実際2年目までは貯金を切り崩して生活していました。3年目からは家族で生活できるだけの収入にはなりました。不自由ない生活はできていますが、お金は貯まらないかな(笑)。地道に積み重ねればうまくつながっていくと実感しました。これからはもっと道は広がっていく。ここまでくれば怖いものはないかな。

今後の目標

「畑から食卓までを提案したい」
「規模が小さくてもやっていける農業」を目指しています。どうやって農業で生計を立てられるようにするかを考えると、耕作する土地の面積を広くするか、野菜に付加価値をつけて単価を高くするか。私の理想に合うとすれば、後者。
自分で飲食店をつくって、そこでお弁当や惣菜などのよりおいしい野菜の食べ方を提案して、野菜の単価を上げたいと考えています。畑から食卓まで、第1次産業から第6次産業までを自ら行うことで生計を立てていきたいと思っています。

磐田市へ移住を考えている人へのメッセージ

「一緒に頑張れる人に来てもらいたい」
畑も田んぼも余っている時代になってきました。都会で仕事をしながら暮らすだけがすべてではなく、都会を離れても農業で生計を立てられると思います。今まで仕事などで培ったアイデアや経験を生かして農業にチャレンジすれば、非常にやりやすい地域だと感じています。住んでいる人もいい人ばかりなので、新しい感性で一緒に農業がやれれば、よりおもしろい産業になると思います。
最終的な理想像は若い人に農業を普及させたい、若い移住者の受け皿になりたいです。私の方法が上手くいけば、暮らし方として参考にしてもらえると思うんです。これが私の最後の仕事なんじゃないかなと思ってますよ(笑)。会社員の時にはこんなこと言えなかったけれど、農業を始めて、夢や理想を語るようにもなりました。

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きとう農園

2016年より有機農業を営んでいます。
磐田市では、四季を通じ露地で栽培することができます。
季節の中で育まれる、旬の野菜を、お客様に直接お届けしています。
オンラインショップでも注文を受け付けています。

きとう農園

静岡県磐田市神増
TEL:090-3729-5528
URL:http://r.goope.jp/hammingbird/
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