磐田市の教育に対する思いや、方向性の一端を知っていただければ幸いです。

教育長の飯田正人です。教育長に就任して4年目に入りました。本年度もよろしくお願いいたします。
磐田の歴史と教育
磐田市は、市内に多くの古墳や遺跡があり、約1,800年前の弥生時代の銅鐸が3口(こう)発見されるなど、古くから磐田原台地やその周辺に多くの人々が暮らしていた歴史があります。また、奈良時代には遠い都との関係も深く、この地に国府が置かれ、遠江国分寺が建てられました。そして、長い歴史の中で、磐田の文化はこの地に住む人々の手によって発展してまいりました。中でも、学びを大切にし、子どもたちを教育することへの住民の情熱はどこよりも強く、明治初期に他の地域に先駆け、地域の人々が私財を投じて「遠州三大学校」(見付学校、坊中学校、西之島学校)を建てたことに代表されるところです。
その精神は現在も地域の方々に脈々と伝わっていると感じます。教育委員会もその精神を受け継ぐ「磐田市ならでは」の教育施策を展開してまいりました。その一つが「ふるさと先生」(市費負担教員)を配置して、早い時期から全学年35人学級を実施してきたことです。
磐田市教育委員会の目標
「ふるさとを愛し、未来をひらく、心豊かな磐田市民」
平成23年3月11日の大震災以降、ふるさとがあり、ふるさとに住むことができるありがたさをこれまで以上に感じてきました。また、未来をひらくためには、国として、地域として、個人として、高い技術、知恵、判断力、協力、強い心など、備えておくべきことがたくさんあることが分かりました。何よりも人と人との心のつながりを生み出す心の豊かさが大切なものであると感じました。
こうした中で教育委員会は、子どもたちを含めた市民の皆さんが「ふるさとを愛し、未来をひらく、心豊かな磐田市民」であり続けるよう、学校教育はもちろんのこと、図書館施設の整備や図書資料の充実、文化財の調査研究推進や遠江国分寺跡整備計画の検討など、教育委員会の諸事業の充実を図ってまいります。また、学校給食については給食用食材の放射性物質検査を実施するほか、単独校のアレルギー対応について検討するなど、安心安全な給食の提供に努力してまいります。
学校教育で身につけさせたいこと
今、私たちの生活は様々な価値観が複雑に絡み合っていて、一つの課題に対して一つの明確な答えを見つければ良いというわけにいかない社会構造になっています。それだけ判断も難しくなっています。それでも、よりよい選択をして、未来をきりひらいていかなければなりません。そうした中、これからの時代を担う子どもたちには、次のような力を育んでいくことが必要であると強く感じます。
@ 健康で忍耐力があること
A 学習・生活の基礎基本を身につけること
B 深い知識や高い技能・技術を持ち、新しい物を生み出す力を持つこと
C 優しさをもち、正義感があること
D 正しい情報を発信することの大切さを自覚し実行すること
E コミュニケーション能力を向上させ、自分や周りの人の心を豊かにしようとすること
これ以外にもあるかもしれませんが、これらのことを、授業や特別活動、学校行事、部活動、給食の時間、友達や教員とのやり取り等、学校教育のあらゆる場を通して、身につけさせたいと考えます。
小中一貫教育
小中一貫教育については21年度から3年間研究してきました。今年度は2中学校区(磐田第一中学校く、豊岡中学校区)で試験的に小中一貫教育を実施します。そして、2学期の終わりまでには、これまでの研究や試験的な実施の結果を参考にしながら検討し、来年度以降の実施について結論を出していく予定でいます。
小中一貫教育が実施されることとなれば、「小中を貫いた教育の中で子どもたちが未来をひらくためのツールを身につける」といった学習の他、「地域と学校の協調による行事」「小学生の中学校体験」など、それぞれの中学校区でアイデアを出した独創的な教育が展開されることが期待されます。
幼稚園教育
今年度から、幼稚園の担当が教育委員会教育総務課から、こども課幼稚園・保育園支援室に移りました。将来の幼保園等を見据えた中で、幼稚園と保育園の窓口を一本化するためです。しかし、教育委員会では、大事な幼児期に充実した教育・保育が行われるよう、幼稚園教育についてこれまでと同様幼稚園に対して指導及び支援してまいります。幼稚園訪問等についてもこれまで同様実施いたします。人としての基礎基本である社会性の基盤を幼児期から身につけることができるようにするとともに、たくさんのアイデアや豊かな感性を身につけた子どもを育てていきたいと考えます。
磐田の教育を意欲的に実施していくことが、静岡県教育委員会の目指す「有徳の人」を育てることや国の目指す子どもたちの「生きる力」を育むことに繋がると考えます。