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磐田文化財だより 第6号

シリーズ 磐南地域を知る ② 福田編

福田地域の地理(次ページ 地図参照)

写真:福田地域の地理

南北に長い磐田市の南東部に位置し、南側は遠州灘に面しています。海岸付近が砂丘や砂洲(さす)となっているほかは、ほとんどが平野となっています。
河川は、太田川が北から南に流れ北西からくる仿僧(ぼうそう)川〔今之浦川〕と河口付近で合流します。ただ、現在の太田川の流路は江戸時代初めに改修されてからのもので、元は北西側に迂回するように流れていました。また、原野谷(はらのや)川が海岸に沿うように中野や豊浜の東側から旧浅羽町域を流れていました。原野谷川や太田川は古代や中世において船の通り道になり、物資の輸送に重要な役割を果たしていたと考えられます。


福田地域の歴史(次ページ 地図参照)

元島(もとじま)遺跡からは弥生時代の墓が9基見つかり、近くにムラがあったのではないかと思われます。当時は今より海面が低かったようで、これらの墓は海抜(かいばつ)マイナス20cm前後のところで見つかりました。縄文時代の中ごろ以降、この地域の大半はラグーン〔潟湖(せきこ)〕と呼ばれる入江となっていましたが、部分的に生活可能な場所があったようです。

写真:荘園の分布(『福田の歴史』より)荘園の分布(『福田の歴史』より)

元島遺跡からは、古墳時代の集落跡や古墳も3基発見され、生活に使われた土器、漁業に使われた土錘(どすい)や石錘(せきすい)なども多数出土しています。木枠を組んだ井戸跡も見つかっていますが、この木枠は船の部材を転用したもので、当時から海や漁業と深く関わっていたことがわかります。
奈良時代、この地域は磐田郡や山名(やまな)郡、ないしは長下(ながしも)郡に属していたと思われます。元島遺跡からは方形に区画された遺構が見つかっていますが、何に使われた施設かは分かっていません。
平安時代になると、「二之宮荘(にのみやのしょう)」や「鎌田御厨(かまたみくりや)〔伊勢神宮の所領〕」と呼ばれる荘園が広がり、この地域の豊かな米が神社の経営を支えていました。


写真:15~16世紀ごろの地形推定復原図(同前)15~16世紀ごろの地形推定復原図(同前)

中世になると、物資の中継地として脚光をあびます。元島遺跡では12~17世紀初めにかけての約500年間に渡って集落が営まれました。建物の跡や港の施設とともに多量の完全な形の土器や陶磁器が見つかりました。陶磁器の中には中国からの輸入品も多く含まれ、この地が見付にあった国府(こくふ)・守護所(しゅごしょ)などへの物資を運ぶための中継基地であったことがわかりました。
近世には、太田川河口に自然地形を移用して福田港〔湊(みなと)〕が設けられ、米や茶、木材などを運ぶ拠点となりました。
近代になると、織物業が盛んとなります。特に日露戦争後、別珍(べっちん)〔ベルベット〕・コール天(てん)〔コーデュロイ〕は、織機の導入により全国でも有数の生産地となりました。また農業や漁業とともに、昭和初期までは製塩も行われ、味のよい「福田塩」として重宝されました。


福田地域の文化財(県指定文化財と民俗文化財を紹介します)

写真:絹本著色釈迦十六善神画像絹本著色釈迦十六善神画像

写真:氏神様の年始回り氏神様の年始回り

豊浜の観音堂には、南北朝時代の延文五年(1360年)の銘がある県指定文化財の「鰐口(わにぐち)」があります。
豊浜中野の白山(はくさん)神社には、県指定文化財「絹本著色釈迦十六善神画像(けんぽんちゃくしょくしゃかじゅうろくぜんしんがぞう)」があります。鎌倉時代の仏教絵画で、神道と仏教が融合していた時代を示しています。この画像は、1月に神社で行われる十日祭(とおかまつり)で大般若経(だいはんにゃきょう)を読む時に掲げられます。また、10月には白山神社へ御神酒(おみき)〔どぶろく〕を造って奉納する例祭も行われます。
豊浜の三嶋神社では御神体を捧げ持って地区内を回る「氏神様(うじがみさま)の年始回り」が行われるほか、下太(しもふと)の八王子神社では、1月15日に川で米をとぎ神前に捧げる「米とぎまつり」が行われています。

写真:氏神様の年始回り

思わず人に話したくなる磐田の文化財 第5回 御厨(みくりや)古墳群編

今回は、前方後円墳3基と円墳2基からなる御厨古墳群を紹介します。新貝から鎌田地区にかけてひろがるこの古墳群は、平成13年3月に国の史跡に指定されました。

一番新しい史跡?

写真:位置図:台地の東縁部に密集しています位置図:台地の東縁部に密集しています

この古墳群は、市内7つの国指定文化財のうちで一番新しく指定されましたが、それぞれの古墳については古くから知られていました。
特に松林山(しょうりんざん)古墳では、昭和6年に当時の考古学の第一人者を東京から招いて調査が行なわれています。大量の副葬品が見つかり、東日本を代表する古墳として広く知られることになりました。
御厨堂山(みくりどうやま)古墳は明治後半に発掘され、見つかった土器の一つは、海を渡ってイタリアの博物館に所蔵されています。

遠江の王の本拠地

新貝・鎌田地区には、御厨古墳群を含め磐田市の中でも特に大型の古墳が集中しています。これは、この地区が当時の遠江の中心であったためと思われ、これらの古墳には遠江の王ともいえる大きな力を持った人物が葬られていると考えられます。

王に二つの系譜?

写真:新貝・鎌田地区の古墳の変遷:時代とともに交互に形を変え、規模を小さくしていきます新貝・鎌田地区の古墳の変遷:
時代とともに交互に形を変え、
規模を小さくしていきます

の地区は三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)が見つかった古墳が複数あり、中央(畿内)政権とのつながりがうかがえる地区ですが、古墳の特徴や副葬品等から松林山古墳と高根山古墳は特にその関係が深いと思われます。
一方で、ほぼ同時期に秋葉山古墳や稲荷山古墳などが平行してつくられ続けていることから、遠江の王には中央との関係が深い一族とそれ以外のもうひとつの一族という2つの系譜があったとも思われます。

釣り糸を垂れながら

写真:古墳群の中を走る新幹線:右手前が松林山古墳、左奥にあるのが秋葉山古墳と稲荷山古墳です
古墳群の中を走る新幹線:
右手前が松林山古墳、左奥にあるのが
秋葉山古墳と稲荷山古墳です

御厨古墳群の周辺には、ザリガニ釣りができる兎山(うさぎやま)公園や新幹線を近くで見られる場所〔線路を敷くため松林山古墳は一部が削られました〕などもあります。ご家族みんなで遊びに行きながら往時を偲んで古墳めぐりをしてみるのはいかがでしょうか?


名前 大きさ 築造時期 発見されたもの
松林山古墳 前方後円墳 全長/107m 前期後半 鏡・釧・琴柱状石製品・玉・刀・埴輪など
高根山(たかねやま)古墳 円墳 直径/52m 前期末 埴輪
御厨堂山古墳 前方後円墳 全長/35m 中期 刀・斧・土器
秋葉山(あきはやま)古墳 円墳 直径/50m 前期末 土器
稲荷山(いなりやま)古墳 前方後円墳 全長/47m 前期末 土器

今度は豊田図書館で!
新磐田市文化財展開催します!

写真:満開のフジ:カラーでお見せできないのが残念です出土状態の復元展示:
弥生土器(手前)と銅鐸(左奥)〔磐田会場〕

豊田図書館展示室
9月3日(土)~10月2日(日)
午前9時30分から午後5時まで
入場無料
※ 月曜及び9月22日(木)休館

8月28日まで中央図書館で開催した展示会には、4000人を超えるお客さまに来場していただきました。ありがとうございました。
9月3日からは、会場を豊田図書館展示室に移して、展示会を同じ内容で開催します。
豊田では初公開の考古資料なども含め新磐田市の貴重な考古資料など約200点をまとめてご覧いただける貴重な機会ですので、どうぞお出かけください。
主な見どころ
○加茂東原Ⅰ遺跡の土器を出土状態で復元展示
○西の谷遺跡の銅鐸(実物1点複製2点)
などなど

<文化財課販売図書 最新刊のご案内>
□『竜洋町の鳥たち』600円 豊富な写真で美しい鳥たちを紹介しています。
販売所:埋蔵文化財センター / なぎの木会館 / 竜洋町史編さん室
□『福田の史跡』500円 旧福田町の寺社・石碑・地蔵などを詳しく解説しています。
販売所:埋蔵文化財センター / 福田公民館
詳しくは文化財課32-9699まで

コラム
旧豊岡村の史跡「社山城址(やしろやまじょうし)」 - 文化財課 牧澤 直也

写真:大当町屋台:最古(伝寛政10年作)の掛塚屋台大当町屋台:
最古(伝寛政10年作)の掛塚屋台

はじめまして、今年4月に旧豊岡村役場から配属された牧澤です。今回は私が育った旧豊岡村の社山(やしろやま)にある史跡「社山城址」を紹介したいと思います。
社山城は中世のお城で、築かれた時期は不明ですが、北遠州への入口にある城として重要視され、『宗長(そうちょう)日記』他の文献によると今から約500年前には斯波(しば)氏と今川氏の、そして約430年前には武田氏と徳川氏の抗争の舞台となりました。
その後、武田氏が滅亡し徳川氏も関東に移封(いふう)されると廃城になったようですが、現在でも社山の山頂付近には郭(くるわ)や堀切(ほりきり)等の跡がきれいに残っています。頂上へ向かうハイキングコースも整備されているので、旧豊岡村方面へ足を運ぶことがあったら、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか?ちなみに私の実家もすぐそこです。

編集後記

この文化財だよりについては、希望される方へ実費による郵送サービスを行っています。サービスを希望される方は、封書に送付を希望される月数分の80円切手を同封し、ご住所とお名前をお知らせください。(Y)

  

情報発信元
磐田市教育委員会 文化財課(磐田市埋蔵文化財センター内)
電話番号:0538-32-9699

受付時間:午前8時30分~午後5時15分

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