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磐田文化財だより 第85号

(平成24年4月1日発行)

古文書がよみがえる

古い文書を残すために歴史文書館は活動しています。

東日本大震災で東北地方では多くの歴史資料が被害を受け、文化財レスキューの活動により修復等の作業が行われている、とのニュースを目にします。地震で文化財が大きな被害を受けた事を考えると、歴史文書館では古い資料を、大切に保存しなければ、との思いで日々業務を行っています。

歴史文書館は、公文書館として、磐田市や合併前の各市町村が作成した公文書や行政資料、地域の古文書などを、永久的に保存し後世に伝えるという業務を行っています。
収集する資料は、磐田市に関係することが記録されたものであれば、古文書や本・写真など、いつの時代のものでも収集しています。文書などが傷んでいても、歴史文書館が補修を行い、資料として保存しています。
今回は、歴史文書館の活動の中から、傷んだり取り出すのが難しい資料をいかに修復し、文書として記録し、保存しているのかをご紹介します。

しわ伸ばし

写真:水筆を使ってのしわ伸ばし作業水筆を使ってのしわ伸ばし作業

長年にわたってお蔵のタンスや箱に保存されていた文書にはしわが寄り、そのままでは写真撮影すらできないものもあります。ひどいしわの場合には、アイロンを使ってしわを伸ばすことがあります。水は必要最低限とし、筆を使って、折山に水を付けます。
アイロンは、底板がステンレスのものを使い、資料の裏面から当てます。上から押し当てるようにかけ、資料の表面を滑らせないようにします。

文書のつくろい

写真:糊付け作業糊付け作業

文書に開いた虫食いの穴や破れは、和紙を使ってその部分をつくろっていきます。

  1. 紙は、資料と同じか、やや薄めの和紙を使う。
  2. つくろう部分を水でぬらし、薄く※生麩糊を付ける。
    ※小麦由来の糊で天然素材のため、文化財の修復などに使われています。
  3. 穴より3ミリくらい大きめにつくろい用の紙を切る。この時、手で千切ると、繊維が適度に残って、紙と紙のつなぎ合わせ部分が目立たない。
  4. 紙の目を資料と合わせて貼り付ける。不織布を敷きヘラで抑える。
  5. その後、乾燥させる。

襖や屏風の下張りから文書を取り出す

日本の古文書は、和紙という日本独特の紙が使われているため、襖などの製作に下張りとしてたくさん使われました。この下張りを剥がすと、貴重な古文書が発見できることもあります。
歴史文書館では、古い家屋の所有者の方から、古い襖などをお預かりし、下張りを剥がす作業を行って、古文書を取り出しています。
手順は、精製水(化学成分が含まれていない水)を吹きかけ、馴染ませた後、へらなどを使って端を持ち上げてはがしていきます。日本古来の糊を使った襖などは、水ではがすことができ、補修も容易です。

写真:古文書を取り出すため精製水を吹きかける

古文書を取り出すため精製水を吹きかける

写真:水が馴染んだら1枚ずつはがす

水が馴染んだら1枚ずつはがす

写真撮影・保存

こうして取り出したり、補修した文書は、目録に登録し、写真撮影して原本資料(元々の本物の資料)とともに保存しています。以前は、原本からコピーをとっていましたが、今は、写真撮影やスキャニングを行って画像データとして保存しています。
資料は、企画展などで展示させていただくことがあります。展示品は、原本(原物)を基本にしますが、中には、傷みが激しいなどの事情により、原本が展示できず、複製品を作成して展示することがあります。そのためにも、写真撮影してデータを保存しておくことが必要となります。

歴史文書館 春の企画展の御案内
日時 平成24年4月1日(日)~4月8日(日)9時~18時(土・日曜日は17時まで)
会場 磐田市立中央図書館展示室(4月2日(月)は休館)
テーマ 「磐南を思う」(故高橋福雄氏コレクション展)
今年2月29日まで、歴史文書館展示室で開催した企画展の内容で、みなさまの声にお応えして、今回は土曜日、日曜日も展示公開します。
<問い合わせ>磐田市歴史文書館(竜洋支所内)Tel 66-9112

ふるさと磐田の指定文化財(9)野崎・高木秋葉山常夜燈

今回は、竜洋地区に残る秋葉山常夜燈についてご紹介します。人々の信仰の歴史を物語る貴重な資料として、平成元年に旧竜洋町指定文化財に指定され、平成17年に新磐田市の指定文化財となっています。

秋葉信仰とは?

「秋葉さん」は、秋葉山(浜松市天竜区春野町)を信仰の対象とする秋葉神社のことです。のちに秋葉三尺坊大権現が鎮座して神仏一体で信仰され、江戸時代には防火の神様として全国的に知られるようになりました。明治時代の神仏分離令により秋葉神社と秋葉寺に分かれ、その他可睡斎(袋井市)などでもまつられています。秋葉神社・秋葉寺・可睡斎いずれも12月に火を鎮めるための祭りが行われ、秋葉寺や可睡斎では燃えさかる火の中をはだしで歩く「火渡り」の修行があります。

常夜燈とは?

写真:高木秋葉山常夜燈(竜灯)高木秋葉山常夜燈(竜灯)

火事を防ぐ神様として人気が出たため、江戸時代にはお伊勢参りと並んで秋葉山へのお参りが流行しました。
そのため、秋葉山に通じる道は秋葉街道と呼ばれ、その沿道には常夜燈が建てられました。
今でも遠州地方には数多くの常夜燈が残っています。市内だけでも約120基の常夜燈があり、街道に沿った交差点に建てられている例を多く見かけます。しかし、必ずしも旅人のためだけに建てられたわけではなく、住民の安全を祈願するという意味合いも大きかったようです。その形も小さな神社のような形をした竜灯や、石灯籠、柱状のものなどさまざまです。

野崎・高木の秋葉山常夜燈

写真:野崎の秋葉祭のようす野崎の秋葉祭のようす

竜洋地区には10数箇所に秋葉山常夜燈がありますが、高木、野崎の秋葉山常夜燈は建てられた年代も明治初期と古く、また彫り物の造作も意匠を凝らしているため、指定文化財となっています。
野崎地区では毎年1月下旬に秋葉祭を行っています。貴船神社の神主さんが祝詞を上げ、地区の皆さんが野菜や果物などの供物を供えて、町内安全を祈願します。

お知らせ

「新いわた文化財だより」(合冊版)第1号~第50号」を発行しました。

写真:新いわた文化財だより

毎月1日発行の文化財情報誌「いわた文化財だより」が1冊の本になりました。
5市町村合併後の平成17年4月号から平成21年5月号を1冊の本でご覧いただけます。地元の身近な歴史について、ちょっと調べるのにも役立ちます。
埋蔵文化財センター、旧見付学校、歴史文書館で発売中。
(A4版 200P オールカラー 価格1,000円)

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写真:いわたホッとライン市内の歴史・文化財情報を随時送信します。リアルタイムで情報を得たいという方にオススメ。
「いわたホッとライン」を利用するには、entry@hotline.city.iwata.shizuoka.jpへ空メールを送信してください。バーコードを読み取り可能な携帯電話をお使いの方は、右のバーコードをご利用ください。登録画面にアクセスするための メールが返信されますので、画面にしたがって登録をしてください。歴史・文化財情報送信希望の方は『メールマガジン 磐田の歴史・文化財』という項目をチェック!!文化財情報をドンドンお送りしすよ!!

コラム 「遠州大念仏 かさんぼこ」 山室淳子

私は幼い頃、8月13日の夜、近所に初盆の家があると出かけていきました。それは、地元の遠州大念仏を見るために。親戚の一人が、地元の遠州大念仏保存会に入っていたこともありますが、地をはうような双盤の深い音、神秘的で吸い込まれそうな笛の音色、亡者が死んだことを忘れるようなおかめとひょっとこの楽しい踊り、“太鼓をきる”といわれる太鼓の音など、幼い私にとっては、不思議な魅力がありました。中でも、出(退場時)の、激しい太鼓の音は、迫力があり、大好きでした。当時の私にとっては、毎年恒例の行事であり、遠州地方のどこにでもあるものだと思っていました(後に、そうではなく限られた地域だけだのものだと知った時には、びっくりしましたが…)。そして、保存会によって、やり方もいろいろ違うことも知りました。
祖父の初盆の時、「子ども念仏」のうたまくらの一節で『元亀3年 申のとし』と聞き、私は「三方ヶ原の戦いは、元号が元亀なんだ」と妙に納得し、不思議なことに覚えてしまいました。
暗い場所や怖いこと、幽霊、おばけが嫌いな私ですが、なぜか大念仏やかさんぼこを見ている時は、全く怖くないのです。

編集後記

春うらら、今年もまちに待った季節がやってきました。神社や仏閣、近くの公園でも桜や春の花々を楽しむ事ができますね。お出かけのついでにほっと一息。いやされます。

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