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磐田文化財だより 第86号

(平成24年5月1日発行)

掛塚の建造物が国の登録有形文化財に登録されることになりました!!

※国の登録有形文化財(建造物)とは、50年を経過した歴史的建造物のうち、一定の価値があるものを、国の文化審議会の審議・答申を経て、文化財登録原簿に登録したものです。

今回新たに登録されることになったのは、市内南西部の白羽にある、「旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)局舎及び蔵と、掛塚の「靏谷家住宅主屋」です。いずれも地域の歴史的景観をよく残しているとして登録が決定したものです。今回の登録で、磐田市内に所在する国の登録有形文化財は、累計で5か所(12件)となり磐田の歴史的建造物として、大切にするとともに後世に遺していきます。

①旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)局舎

昭和10年に建築された木造2階建て一部平屋建てで、元の郵便局舎兼住宅です(写真Ⓐ)。旧局舎はモルタル塗で石造風に仕上げ、洋風の軒飾り(写真Ⓑ)などが見られます。また、局舎正面上部には郵便マークをデザインした鏝絵※のレリーフ(写真Ⓒ)が施されており、和洋の技術が高い次元で融合しているといえます。
当時東京を中心に発展した、外観のみを洋風とした建築様式を地方で取り入れ、また、全体が良く保存されており、掛塚の近代化を示す貴重な建造物です。

※日本で発展した漆喰(消石灰を主成分とした建材)を用いて造られるレリーフ

写真:旧掛塚郵便局

(写真Ⓐ)
旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)局舎

写真:局舎正面両端の柱上部の軒飾り

(写真Ⓑ)
局舎正面両端の柱上部の軒飾り

写真:局舎正面の郵便マーク

(写真Ⓒ)
局舎正面の郵便マークのレリーフ

②旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)蔵

写真:旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)蔵(写真Ⓓ)
旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)蔵

写真:旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)蔵の2階出窓(写真Ⓔ)
旧掛塚郵便局(長谷川家住宅)蔵の2階出窓

掛塚地区は、主に江戸時代から明治中期頃まで廻船業(※1)が盛んで、大変栄えていました。この蔵(写真Ⓓ)は、掛塚でも有名な廻船問屋であった松下家の蔵であったものを長谷川家が購入したもので、明治中期より古い時代の建築と考えられています。木造2階建てで、外壁に伊豆石(※2)を用い、窓廻りの表現に技巧を凝らしています(写真Ⓔ)。伊豆石は江戸期の掛塚において、木材の運搬船が江戸へ行った帰路に伊豆半島で伊豆石を積んで帰港していた事から、掛塚地内の蔵には多く使用されており、掛塚地区の歴史を語る建造物といえます。

※1 港から港へ貨物等を運んで回る業務
※2 一般的には伊豆半島東岸に産する安山岩類の総称だが、この蔵で使われているものは、凝灰岩系であり、加工がしやすく耐火性に優れ、塀等にも利用されています。

③靏谷家住宅主屋

写真:靏谷家住宅主屋靏谷家住宅主屋(北東から)

明治17年頃に建築された木造2階建てで、通りに面して立つ町屋形式の店舗兼用住宅です。1階に格子の付いた出窓が残るなど、概ね当初の状態が残っています。靏谷家は元造り酒屋で、現在も酒店(つるや酒店)として営業しています。明治前期の商家のようすがわかる建造物です。
下の絵は明治時代中期に描かれた銅版画で、当時の建物配置がわかります。また、通りに面して現在と同じ主屋が描かれています。

写真:銅版画に描かれたつるや酒店銅版画に描かれたつるや酒店(赤丸が登録された建物)

ふるさと磐田の指定文化財(10)梵鐘

第10回は、昭和38年(1963)11月3日に旧磐田市の文化財(工芸)に、平成17年(2005)11月21日に新磐田市の文化財(工芸)に指定された、宣光寺の「梵鐘」を紹介します。

時を知らせる鐘

写真:宣光寺への行き方宣光寺への行き方

梵鐘は寺院の鐘で、鐘楼などに吊るし、※撞木でついて鳴らすことから、釣鐘とも呼ばれます。かつては時間を知らせるために鳴らされ、現在でも大晦日に除夜の鐘を鳴らします。
古いものでは奈良時代の梵鐘がありますが、全国の寺院に梵鐘が広まったのは室町時代から江戸時代にかけてのことと言われています。

※鐘を打ち鳴らす時用いる棒

宣光寺の梵鐘

写真:梵鐘梵鐘(市指定)

宣光寺の梵鐘は銅製で、大きさは口径51.5cm、高さ74cmです。鐘の胴部にきざまれた銘文によって、天正15年(1587)に徳川家康によって寄進されたものであることが分かります。
当時は、徳川家康が遠州地方を支配していました。同時期に磐田駅の南西側には、家康の別荘として中泉御殿が造営されるなど、磐田を遠江の要地として認識していたことから、宣光寺へ梵鐘を寄進したものと考えられます。
お寺の鐘は、戦時中に供出されたものが多くありましたが、宣光寺の梵鐘には、「家康」の刻印があり歴史的価値があるということで供出をまぬがれたといわれており、現在まで残った貴重なものです。

宣光寺と地蔵路

写真:梵鐘の銘文梵鐘の銘文
大担越(寄付をした人)源家康(徳川
家康)」と陰刻されています。

宣光寺は、見付地脇町にある曹洞宗のお寺です。東海道(現在の見付宿場通り)から宣光寺へ続く道を地蔵小路と呼びます。これは宣光寺の延命堂に「木造地蔵菩薩坐像」(県指定彫刻)を安置していることから付けられた名称です。
この地脇町の名前の由来となった「木造地蔵菩坐像」の他にも、「木造毘沙門天立像」(七福神の一人で福や徳をもたらす神様)など、いくつかの指定文化財があります。

文化財めぐりウォークin豊田

とき 平成24年6月17日(日)小雨決行、雨天の場合6月24日(日)
※駐車場あり(豊田支所)
時間 午前9:00~12:00
参加費 無料
募集対象 どなたでも(小学3年生以下保護者同伴)
内容 豊田支所をスタートし寺谷用水の歴史に思いをはせながら、豊田の里に残る歴史や文化財を訪ねて歩きます。歩行距離約5㎞。
申込方法 ハガキまたはFAXまたはEメールに、住所、電話、参加者全員の氏名(ふりがな)、年齢、「文化財めぐりウォーク参加希望」と書いて文化財課へ。
〒438-0086磐田市見付3678-1 Fax:32-9764
Eメール:bunkazai@city.iwata.lg.jp
【申込期限6月6日(水)】
その他 当日の詳細は、申込み〆切り後、参加者の方へお知らせします。

文書館だより

古い本こそ大切にしたい!歴史文書館は、地域に関する本も探しています

歴史文書館は、地域に残る古文書や公文書を集めていますが、地域の歴史を物語るものであれば、限定出版の本や市販されたものなども集めています。
先日、市内のお宅からアルコール専売三十年史、周智農林高校創立五十周年記念誌を含む書籍をいただきました。磐田市中泉の日本アルコール産業㈱磐田工場は、戦前から、専売公社のアルコール工場として親しまれ、市内各地で生産されたさつまいもなどを集荷してアルコールを製造していました。地域にとっても同社にとっても主要な事業所です。その年史(社史)には、同社と地域の関わりなどが記述されています。なかなか手に入りにくい書籍だけに貴重です。
もし、公表して差し支えないような社史や「地域で屋台を作った記録」や「地区の集会所を改築した記録」など地域や磐田市に関係するものがありましたら、歴史文書館の資料として保存・活用させてください。「こんな本があるがどうか?」とご連絡ください。歴史文書館は、古い本こそ大切にしたいと考えています。

(連絡先)磐田市歴史文書館(竜洋支所内)電話66-9112

編集後記

若葉の季節になりました。海に山に近くの公園に出かけたり、のんびりとご近所を散歩するのも良いですね。いつも通る道端に咲いている草花の可憐でたくましいところにもきっと感動させられますよ。

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