磐田のみどころ

磐田市役所 ホーム > 磐田のみどころ > 文化財 > 磐田文化財だより 第97号

磐田文化財だより 第97号

坊中(ぼうじゅう)遺跡発掘調査報告

平成24年9月から25年2月にかけて、土地区画整理事業に伴って、市内東南部寄り、鎌田地内にある坊中遺跡の発掘調査を行いました。調査地は、奈良時代(8世紀中頃)に創建されたと伝わる古刹である医王寺に隣接し、付近には松林山古墳などの大型古墳も点在しています。

写真:調査区とその周辺<南から>調査区とその周辺<南から>

今回の調査地は、江戸時代に隆盛を極めた医王寺の範囲に含まれていたことが分かっていました。周辺地域や遺跡の名称「坊中」※からも、この付近が寺の範囲に含まれていたことが想像できます。今回の調査で、中世から近世に造られた遺構(建物の跡など)が発見され、中世にもこの地点に人々が生活していたことが判明しました。今回の遺構が中世の医王寺に関連する可能性もあります。
(「坊中」は寺域の中という意味があります)

遺構は柱穴、お墓と考えられる土坑(大きめの穴)・溝などが確認されています。この内、大半を占めるのは中世から近世の建物の柱の跡(柱穴)で、900基近く見つかりました。これら柱穴は、その分布が重なるものが多く見られることや、分布密度の濃さから、何度も建て替えが行われたと考えられます。

★いろいろな柱穴

非常にたくさん確認された柱穴ですが、形や深さ等においてとてもバリエーションに富んでいます。また、柱が炭化した状態で見つかった例や柱の根元を支えた石(根石(ねいし))がたくさん詰まったものも見られました。規模や形が似たものが等間隔で並んでいるものは、一つの建物をなしていると思われます。

写真:柱穴から見つかった根石

柱穴から見つかった根石
(多くの河原石が詰まっていました)

写真:柱が炭化した状態で出土した柱穴

柱が炭化した状態で出土した柱穴
(赤い線の内側が柱の痕跡)

写真:調査地

調査地<上空から、右が北> (大小の穴がいっぱい)

★古墳時代の墓

写真:古墳時代の墓

その他、古墳時代の墓も見つかっています。長軸1.8m以上の土坑の床面に拳大の石が敷かれ、傍(かたわ)らに須恵器が供えられていました。古墳が密集する台地の東端より400mも内側に入ったところから、古墳時代の墓が確認されたことは少なく、貴重な調査例となりました。

古墳時代の墓 →
(赤い印のところで土器が発見されました)

もっと知りたい!明ケ島(みょうがじま)古墳群出土土製品(前編)

写真:埋蔵文化財センターで特別公開をしました埋蔵文化財センターで特別公開をしました

市内明ケ島原で発掘された土製品が、2月27日に重要文化財に指定されることになりました。県内出土の考古資料としては3例目、市内の有形文化財が国の指定を受けるのは初めてとなります。
これを記念し、今月号と来月号の2回に分けて、明ケ島の土製品を紹介します。
明ケ島古墳群出土土製品は、粘土をこねて焼かれた人や動物、武器や玉などで、ほとんどが手のひらに入ってしまうほどの大きさです。今から約1,600年前の古墳時代中期に作られ、祈りの儀式に使われたと考えられます。
※詳細は、「いわた文化財だより」号外(H25.2.28発行)をご覧ください。

【人形(ひとがた)のはなし】

写真:人形土製品

人形土製品は、土製品のなかでもっとも多く、指定となる1,064点の2割強を占めています。明ケ島で行われた祭祀(さいし)の中でも、主役であったのでしょう。

★作り手が33人?

写真:人形土製品

人形は造作が細かいので、作った人の個性がはっきり出やすいことから分類も簡単にできました。その結果、少なくとも33人の作り手がいたことがわかっています。
どれも置いたときに安定するよう、下半身がどっしりしているという点は共通しています。しかし、他のパーツを見ると、顔があったりなかったり、男女の区別があったりなかったり…細かいところは作り手に任された部分が多いように思われます。

★人形のかたちは?

写真:人形土製品

また、手足を広げた姿のものが多く、「磔刑(たくけい)形」(はりつけの刑を受けているようなかたち)とも呼ばれています。この形は、“神さまに対して抵抗せず、すべてを捧げる姿である”という説もあります。

写真:人形土製品

これらの人形も、神への願いの代償として「いけにえ」のように捧げられたのでしょうか。人形の多くが壊され、特に頭部を破損していることや、子どもの人形がほとんどないことも、そうした使い方と関係があるのかもしれません。

「磐田原台地西縁の遺跡」パンフレットができました!

写真:「磐田原台地西縁の遺跡」パンフレット

おすすめポイント

磐田市寺谷(てらだに)にある国・県史跡である銚子塚古墳・小銚子塚古墳・米塚古墳・長者屋敷遺跡について、写真や図面入りで紹介しています。
オールカラーA3版二つ折り、無料
県指定史跡「土器(かわらけ)塚(づか)古墳(こふん)」・国指定史跡「御厨(みくりや)古墳群(こふんぐん)」などのパンフレットと共に古墳めぐりはいかがですか?

入手方法

埋蔵文化財センター、旧見付学校、歴史文書館、旧赤松家記念館にて入手できます。

コラム 土製品に感じるもの 山﨑 克巳

写真:土製品

2月28日付け各社朝刊に、「明ケ島古墳群出土土製品重要文化財指定に」の文字が躍りました。磐田市から重要文化財が指定されるなんて、法外の喜びでありました。
「森羅万象」古来より日本人は、自然の万物すべてに神が宿ると信じていました。その対象が岩であったり、樹であったり、山であったり、富士山信仰はまさにその一つです。人々は折に触れては神に祈り、神に判断を任せてきました。神の存在は、私たちの生活と密接な関係にありました。
今回の例をみると、人物・楽器・武具・武器・織機(しょっき)・装身具(そうしんぐ)など、さまざまな道具を模したものが、神に捧げられています。これらのものは、神が宿ったものではなく、神と向き合うための道具であったと思われます。
一つ一つ、じっくり見ていきますと、作った人々の意思がみえ、土製品に託した思いが感じられます。素朴なつくりのなかにも、温もりを感じる土製品の数々です。

編集後記

4月になり、春本番の季節を迎えています。「いわた文化財だより」では、身近な文化財のフレッシュな情報をいち早く皆様にお伝えしていきますので、平成25年度もよろしくお願いします。

ページの先頭へ

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの構成について、ご意見・ご要望などがありましたら下記に入力してください。
入力内容への個別の回答はできかねますのでご了承ください。

このアンケートフォームは、磐田市ホームページに関するご意見をお聞かせいただくものです。
市政に対するご意見、お問い合わせなどはこちらへお寄せください。ご意見・お問い合わせ