令和4年度施政方針

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ページ番号 1012052  更新日 2023年2月17日

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令和4年磐田市議会2月定例会に、令和4年度各会計予算をはじめ、各議案を提案し、ご審議をお願いするにあたり、市政運営の基本方針並びに予算案の諸事業について、所信の一端と施策の大綱をご説明申し上げます。

 

<市長就任からを振り返って>

 私は、昨年4月24日に市長に就任し、現在300日ほどが経過しましたが、その間、新型コロナウイルス感染症については、第4波から現在の第6波に見舞われ、蔓延防止等重点措置の適用や緊急事態宣言が発令される中、国の方針を踏まえ、ワクチン接種や医療との連携などの対策を迅速に進めてきました。

 またコロナ禍への対応と並行し、6月定例会での所信表明を実現するべく「はじまりは笑顔であいさつ 明るい未来を語り合おう」をスローガンに掲げ、職員とともに一つひとつ、できるところから実行してきた9か月間でもありました。

 大切にしてきたことは、市民や議会からいただいたご意見を参考にすること、市民の生命と財産に係ることを最優先にしながらも、現在だけにとらわれるのではなく、本市の未来の姿を想像することを意識し、常に前を向いて進んできました。

 いくつかこの間の取組から、来年度へつなぐ取組をご紹介します。

 まずは、市長と市民の対話の場である「磐田の未来を語る会」や、現場訪問型の市民との対話の場である「草地市長が行く」を開催し、市民と直接対話し、声を聴くことができました。

 また、外部との連携については、関東経済産業局が開設した「RIDC(リディク)」や社会情報大学院大学をはじめ、想像以上に多くの民間企業等から声をかけていただき、市の課題解決や新事業・新ビジネスモデルの創出につながる公民連携の可能性を感じることができました。 

 さらには、静岡県と連携して、海岸堤防の完成予定を令和8年度へ前倒しし、学びたい人たちの新たな選択肢となる夜間中学の設置についても進めることができました。

 この間で、この議会に提案している、5年後の市のビジョンを描く「第2次磐田市総合計画後期基本計画」を策定しながら、その計画と連動させることを意識し、令和4年度の予算編成の準備を進めることができました。

 

<4つの大きな変化とその対応>

 それでは、判断の前提となる社会状況の認識や、令和4年度の市政の方向性について、所信表明と重なる部分もありますが、改めて私の考えをご説明いたします。

 私たちを取り巻く現代社会には、様々な変化が起こり、それに伴う課題も山積しています。例えば、少子高齢化と人口減少の進行や、Society5.0の実現に向けたデジタル社会の進展、地球温暖化をはじめとする環境問題や激甚化する自然災害、持続可能な開発目標(SDGs)の取組の広がりなどが、特に大きな変化と言えるでしょう。加えて、新型コロナウイルス感染症は、生命や健康にとどまらず、社会経済に影響を及ぼし、人々の行動、意識や価値観などをも変えようとしています。

 また、人は変化に不安を覚えがちであり、ともすれば、目先の小さな事象に一喜一憂することになります。そこで私は、少し先の暮らしに目を転じることが大切であると捉え、市民と変化や未来の姿を共有し対応することにこそ、行政の役割があると感じています。

 折しも、私の任期でもある3年後は「2025年問題」として、以前から課題が共有されてきました。私は、自治体が市民の安心、暮らしの幸せのための仕組みを作っていくことを求められていることを意識しながら、4つの変化への対応についてこれからご説明いたします。

 

【人口減少・少子高齢化社会への対応】

 まず、はじめに、「人口減少・少子高齢化社会への対応」についてです。

 今後も、出生数の低下や高齢者の増加により、生産年齢人口の減少による経済活力の低下や社会保障関係費の増大、地域コミュニティの担い手の減少や独居高齢者の増加といった社会的・経済的な課題が懸念されます。このため、安心して子どもを産み育てられる環境づくりや教育の充実、高齢者がいつまでも健やかに過ごせる環境づくりのほか、地域のつながりの再生など、人口減少や少子高齢化が進む中でも、安心して暮らし続けることができるまちづくりを進めるための諸施策に取り組んでいきます。

 

【デジタル社会への対応】

 次に、「デジタル社会への対応」についてです。

 国では、「デジタル田園都市国家構想」の実現を掲げており、その手法として、地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮め、各地域と世界がダイレクトにつながることを目指しています。

 本市においても、デジタル社会への対応を踏まえ、早々に部局横断的な取組を推進するため、「dX推進本部会議」を立ち上げ、まずはAI・RPAによる業務効率化や、市役所窓口へのキャッシュレス決済の導入など、市民サービス向上に取り組んできました。

 令和4年度においては、デジタル専門人材をCDO(チーフデジタルオフィサー)補佐官として登用、情報政策課をデジタル政策課に名称変更し、新たにDX推進担当を配置します。行政内部のデジタル化を進め、市民サービスの向上につながる、「もっと便利な市役所」の実現に向けた取組とともに、市民の暮らしがより便利に、豊かになるよう「磐田市dX」をさらに推進していきます。

 

【SDGsの考え方と自然環境への対応】

 次に、「SDGsの考え方と自然環境への対応」についてです。

 近年の地球温暖化による環境問題に対応するため、国は2050年までに温室効果ガスの排出量を全体として実質ゼロにする、カーボンニュートラル(脱炭素)の実現を目指すこととし、本市も昨年6月に「ゼロカーボンシティ」を表明しました。

 令和4年度は、カーボンニュートラルの取組の基本となる、地球温暖化対策実行計画の策定など、ゼロカーボンシティへ向けた取組を進めていきます。

 環境保全の取組においても、様々な分野でSDGsと関わりがあることから、市民や職員とともに環境に対する意識を高めるため、「いわた COOL(クール) CHOICE(チョイス) DAY(デイ)」や「値引きシールを集めて食品ロス削減キャンペーン」の実施など、啓発活動を行ってきました。これらの取組を継続するとともに、日本一のトンボの宝庫である桶ケ谷沼をはじめとする、恵まれた自然環境を市民共通の財産として守り育て、次の世代に引き継いでいく取組も進めていきます。

 そして、自然災害への対応については、令和8年度完成予定の海岸堤防の整備に代表されるように、様々な自然災害への備えを、確実かつ迅速に行っていきます。

 

【コロナ禍への対応】

 最後に、「コロナ禍への対応」についてです。

 感染状況が日々変化する中、これまで、ワクチン接種を円滑に進め、また、感染防止対策や経済対策にも取り組んできました。2月補正予算でも、経済対策・事業者支援に係る事業を計上し、当初予算では、新型コロナワクチンの3回目追加接種に要する経費などを計上しています。

 現在のオミクロン株の広がりは、感染者数の急激な増加や若年層への感染、家庭内感染の拡大が起こった一方、重症化しにくく、自宅療養が増えるなど、これまでとは状況が大きく変化しています。

 今後も、感染状況による対応は変化が予測されますので、臨機応変に市民の生命と健康を守るための感染防止対策を進めるとともに、地域経済の回復に向けた取組を、国の交付金などを活用しながら実施していきたいと思います。

 このように、様々な変化とそれに伴う課題に対して、本市としては「安心」をど真ん中において、「安心できるまち」の実現へ向け、取り組んでいきます。

 また、「安心できるまち」では、そこに暮らす市民が、自分の居場所を見い出し、幸せや充実感を感じられ、地域に対し愛着や誇りを持つことができ、それができればその想いが人を引き付け、磐田市は人が集まるまちになります。

 基本目標に「安心できるまち・人が集まる磐田市」を置き、市民が幸せで、誇りを持ち、持続可能な磐田市にしていきたいと思います。

 

<特に力を入れていく3つのポイント>

次に、令和4年度の取組を進めていくに当たり、特に力を入れていきたい3点についてです。

【新たな視点・民間活力の導入】

 まず1点目は、「新たな視点・民間活力の導入」です。

 今や自治体の諸課題は、行政だけで解決するのではなく、他組織や外部からの専門家の知見や技術を取り入れながら解決していくことが必要になっています。

 私は、こうしたことから、県から副市長を招聘しましたが、副市長の新たな考えや視点は、組織にとって得るものが大きくさらなる可能性を感じています。

 今いる市民・団体・職員を大切にしながら、外部人材の活用をはじめ、民間企業や団体、国や県など、様々なつながりを活かし、市政に新たな風を取り入れることで、次々と化学変化が起こることを期待しています。

 令和4年度は、「公民連携デスク」を設置し、行政課題の解決や市民サービスの向上への提案を具現化していきます。他に、大学と連携し、行政課題の研究や社会人を対象とした講座を実施するとともに、デジタル分野のほか、シティプロモーションなど、様々な分野において外部人材の導入、検討を進めていきます。

【学びの機会の創出】

 2点目は「学びの機会の創出」です。

 本市には、かつて「遠州三大学校」と言われた見付学校・坊中学校・西之島学校があり、江戸時代から国学が盛んな土地で、国学者たちは私塾を開き近所の子どもたちを教えていたと言われています。私は市議時代に初めて視察で訪れた足利市で、遅くとも室町時代に始まる足利学校が、今でも市民の学びの場として生きていたことを鮮明に覚えています。

 総合計画における「まちづくりの基本理念」は、「未来のまちづくりを担う「人づくり・地域づくり」です。事業者や企業、市民団体などを担う様々な立場の「人」が、主体的に考える場として、本物と出会い感動し、好奇心が刺激され、新たな価値が生まれる学びのフィールドを作ります。これにより、市民にとっての新たな居場所ができ、NPOや企業などにも変化に対応するための知見が広がっていきます。このように、意欲のある人たちのつながりを醸成していきたいと考えています。

 そして、そのフィールドを、校舎のない学び舎「磐田ここからラボ」と名付け、初年度となる令和4年度は、市民向けの講演会等の充実や市民活動団体における学びの応援、子どもたちに向けた市内公立小中学校における自由な学びの応援、市内で働く方々の学びの応援の3つの方法により、取組を進めていきます。

 人生100年時代を生きる市民の皆さんが、豊かな人生を歩んでいただけるよう、その願いを込めて「磐田ここからラボ」を複数年にわたり拡充していきます。

【先手の公共施設等の維持管理】

3点目は「先手の公共施設等の維持管理」です。今年度作成中の施設カルテをベースに、公共施設やインフラの修繕・改修を積極的に進め、老朽化対策を計画的かつ効率的に推進することで、将来にわたり持続可能なマネジメントができるよう、先手先手の対応に努めていきます。

以上3点を踏まえ、令和4年度を、来るべき大いなる前進向けて、可能性を探る時期と捉え、各種事業に取り組んでいきます。

 

<令和4年度予算編成について>

~基本的な考え方~

 それでは、令和4年度予算編成の基本的な考え方についてご説明申し上げます。

令和4年度予算は、私自身の市政に対する基本的な考え方、基本姿勢に基づき、

「子どもたちの安心」

「暮らしと健康の安心」

「まちづくりと防災への安心」

「未来と仕事の安心」

「安心できる市役所づくり」

の5つの安心を政策推進の柱として、「安心の土づくり・未来への種まき」と位置付けて予算編成を行いました。

 なお、令和4年度は、「第2次磐田市総合計画後期基本計画」の開始年であることから、予算編成においても計画との連動を意識するとともに、財政調整基金残高の確保、市債残高の圧縮による将来負担の抑制など、将来的に持続可能な財政運営を意識した予算としています。

 

<令和4年度予算の概要>

~一般会計の概要~

 続きまして、令和4年度一般会計予算の概要についてご説明申し上げます。

 一般会計の予算額ですが、前年度比23億5,000万円、3.5%減額の648億3,000万円となりました。

 これは、新型コロナウイルスワクチンの3回目追加接種に要する経費の増額や民間認可保育園等の施設型給付費、こども医療費助成等、扶助費の増額などはあるものの、磐田市民文化会館の建設工事の完了、また、ながふじ学府小中一体校、今之浦公園・今之浦市有地、防災備蓄ステーションなどの整備完了により、普通建設事業費が減額となったことが主な要因です。

 これらの財源となる歳入は、市税について、前年度当初予算比で増額を見込む一方、普通建設事業費の減に伴う借り入れの減や、臨時財政対策債の減により、市債については前年度と比べ大幅な減額となっています。

 それでは、令和4年度の主な取組とその考え方について、予算編成の基本方針等に基づいた、政策推進のための5つの柱に沿ってご説明します。

【子どもたちの安心】

 はじめに「子どもたちの安心」です。

 本市の未来を担うのは子どもたちです。

 ここでは、子どもたちをど真ん中に据えた事業を推進していきます。子育て中の親を孤立させない環境づくりから始まって、子どもたちが自立したたくましい若者に育つまで、責任を持って取り組みます。そして、ここで生まれ育ってよかった、と実感できる磐田市を目指し、「磐田市なら安心して子育てできる」という安心感を市内外に発信していきます。

 まず、発達に心配のある子どもに対する早期支援体制については、「こどもカルテ」の運用を開始するとともに、発達支援センター「はあと」の体制を充実させることなどにより、母子手帳交付時から相談しやすい母子保健体制を実現するとともに、こども未来課に発達相談グループを設置し、組織体制の充実も図っていきます。

 また、産後ケア事業については、対象者や関係団体の声を聴く中で、訪問型に加え宿泊型と通所型を導入し、より利用しやすい制度へ拡充するほか、結婚支援事業や多胎妊婦健診の拡大、妊娠希望者への風しん予防接種への補助制度創設など、結婚・妊娠・出産に係る支援策の充実を図ります。

 さらに、かねてから制度の拡充を検討してきた、こども医療費における高校生年代の自己負担額の無料化により、早期医療受診の促進・保護者の経済的負担の軽減を図ります。

 教育面では、悩みや不安を抱える子どもたちのため、第2の教育支援センターの設置に向けた準備など、不登校児童生徒への新たな居場所づくりに取り組むとともに、増加を続ける外国人児童生徒に対する相談員の増員などにより、「個」に応じたきめ細やかな支援を進めていきます。

 加えて、GIGAスクール構想については、昨年4月のスタートから、学校では教師も子どもも、タブレットによる新たな学びの可能性を感じながら、順調に取組を進めていますが、さらに可能性を広げるため、学校教育課に新たにGIGAスクール担当を配置し、推進を図っていきます。

【暮らしと健康の安心】

 次に、「暮らしと健康の安心」です。

 令和3年12月末現在の磐田市の高齢化率は28.8%で平成24年12月末現在の23.7%から5.1ポイント上昇しており、高齢化は着実に進んでいます。

 ここでは、年齢を重ねても、障害があっても、安心して暮らし続けられるよう、寄り添いと高い専門性による、居場所づくりや支援体制の充実により、セーフティーネットづくりを進めます。

 人生100年時代に向けた誰一人取り残すことのないセーフティーネットのひとつとして、ひとり暮らしや認知症の高齢者の増加により、相談件数が増加している地域包括支援センターにおいて、相談体制の充実を図るとともに、「(仮称)成年後見支援センター」(中核機関)を開設し、認知症など判断能力が十分でない方を支援する体制を整備します。

 そして、新たに設置する「障害者地域活動支援センター」では、日中の居場所のみならず、その方の特性に合った就労や適切なサービスにつなげ、自立した生活が送れるよう支援します。

 生活困窮者自立相談については、現在、市職員で対応している福祉総合相談を「官民共同連携型」に再編し、専門性を有する相談員を常時配置することで、複合化・複雑化する相談内容や、支援ニーズに対応できるよう充実を図っていきます。

 また、市民の大切な移動手段である公共交通については、民間路線バスに代わる自主運行バスを運行し、地域内移動手段の確保を図るとともに、「地域公共交通計画」の策定を進めます。

【まちづくりと防災への安心】

 次に、「まちづくりと防災への安心」です。

 近年、地震・台風・豪雨・土砂災害などによる自然災害の悲惨なニュースを目にします。私たちが、安心して暮らすことができるのは、先人たちの叡智(えいち)と努力の積み重ねがあってこそであり、私は心から感謝しています。

 今度は私たちが、未来に向けて安心な暮らしを届けられるよう、インフラ整備と維持管理による持続可能な社会資本の維持に加え、防災・減災対策や地球温暖化防止の取組を進めていきます。

 まず、海岸堤防の整備については事業費を増額し、海岸保全工区において県への委託による整備が開始されるほか、指定避難所等への資機材整備をさらに進めます。市の組織においても、危機管理課を市長直下の単独課として位置付け、災害に強いまちづくりを進めていきます。

 また、公共施設マネジメントの観点から、小中学校、体育施設などや、橋りょう、上下水道施設といったインフラについても、将来の負担を抑えるための修繕・長寿命化に力を入れて取り組むほか、旧市民文化会館跡地については、新たなまちのにぎわいづくりにつながるよう、利活用の検討を進めていきます。

【未来と仕事の安心】

 次に、「未来と仕事の安心」です。

 産業の振興、発展は、本市の未来に必要不可欠であり、本市の基幹産業である輸送機器産業も構造転換が求められている今、磐田市も事業者とともに新しい産業の芽を育てていかなくてはいけません。

 ここでは、「10年後に活きる価値創造」を掲げ、新産業の創出、創業支援、事業継続支援の推進とともに、歴史・スポーツなど、本市の価値ある資源を活用して磐田の魅力を高めていきます。

 本市と首都圏の人材・企業やスタートアップ等のマッチングにより、新たなビジネスモデルの創出や連携、誘致を図る拠点として、首都圏にサテライトオフィスを設置するとともに、農水産物の地産外商を強化するなど、産業における新たな価値の創出を目指していきます。

 また、2023年の大河ドラマ「どうする家康」の放送を契機として、観光振興やシティプロモーション、関連遺跡の整備に取り組み、経済観光課に歴史観光担当を配置することなどにより、本市の新たな魅力を発信していきます。

 スポーツについては、昨年、地域ブランド調査2021で「スポーツのまち」全国1位に選出されました。サッカー、ラグビー、卓球といったスポーツ資源を活用し、ジュビロ磐田ホームゲーム小学生一斉観戦やスタジアム同窓会などを実施するほか、市民参加型のスポーツ大会や初心者教室を通じ、「スポーツっていいよね!」と感じる市民を増やすことを目指し、スポーツ振興課に新たにスポーツ戦略担当を配置して、取組を進めていきます。

 また、文化振興については、7月に新しい市民文化会館「かたりあ」が開館する予定です。開館記念、こけら落としでは、市民が本物の芸術と触れ合う機会の一つとして、狂言師 野村万作・萬斎による公演を予定しています。「継承する、創造する、発展する 磐田市の歴史文化を受け継ぐ新しい文化会館」をコンセプトに、市民から愛される施設となるよう、文化振興課に新たにかたりあ運営・交流担当を配置します。「市民自ら」をキーワードに、参加型の第九合唱、自ら企画するロビーコンサートなどの事業に、市民とともに取り組み、磐田の新たな文化を生み出す第一歩としていきます。

【安心できる市役所づくり】

 最後に、「安心できる市役所づくり」です。

 私は、働き方や市民の考え方が大きく変化していく中で、本市に限らず、行政サービスがこのままの形で続くとは考えていません。仕事の進め方は、変化に対応する柔軟性が求められていると考えます。

 そのためにはまず、私自身が職員と思いを共有し、職員の意識を変えること、そして、研修等により職員の能力を引き出し、向上させることに力を入れていきます。

 一方、開かれた市役所実現の一端として、現在の「市民相談センター」を、市民の皆さんの日常的な心配ごとや困りごとについても、気兼ねなく相談できる「暮らしにおける何でも相談窓口」とし、相談機能の充実を図ります。

 また、DXについては先に述べたように、デジタル専門人材をCDO補佐官として登用し、本市のDXを強力に推進することで、市民サービスの向上につなげていきます。

 情報発信の強化については、磐田市をもっと好きになってもらうための市民向けシティプロモーションと、市外へのシティプロモーションを意識するほか、外国人情報窓口における対応言語の追加や、いわたホッとラインとLINEの連携などによる利便性の向上、「こども版広報いわた」の発行などを行っていきます。

 「小規模多機能自治」については、協働のまちづくり推進条例の令和6年4月の改定を意識しつつ、地域が主体となって地域の課題解決を図るなど、将来にわたって持続可能な地域づくりにつながるよう、シンポジウムの開催や中学生以上の全住民を対象とするアンケートなどを実施するとともに、新たな自治のあり方について、自治会連合会、地域づくり協議会、市民活動センターなどとともに研究を進めていきます。

 

~特別会計・企業会計の概要~

 次に、特別会計及び企業会計について説明します。

 まず、特別会計は、高齢者人口の増などに伴う介護保険事業特別会計の増額や、被保険者数の増などに伴う後期高齢者医療事業特別会計の増額により、特別会計全体では前年度比0.4%、1億3,797万9千円増額の325億895万9千円となりました。

 企業会計は、大島(おおじま)排水ポンプ場建設工事や汚水管渠(かんきょ)新設工事の増などに伴う下水道事業会計の増額などにより、前年度比3.4%、12億4,464万6千円増額の376億6,293万5千円となりました。

 一般会計・特別会計・企業会計の総予算額は、前年度比0.7%、9億6,737万5千円の減額となる、1,350億189万4千円となりました。

 なお、令和4年度末における、財政調整基金残高は約70.6億円、全会計の市債残高は約983.1億円となる見込みです。

 以上、令和4年度予算案の状況や市政に対する所信の一端を申し上げました。

 

<「安心できるまち・人が集まる磐田市」を目指して>

 結びに、繰り返しになりますが、冒頭に述べた大きな変化への対応により、多様な市民の皆さんを誰一人取り残さないように寄り添い、安心して暮らせるまちを目指します。そして、安心の上に幸福や充実を感じ、それが我がまち磐田への誇りや愛着につながるはずです。そうした市民が増えていくことで、市の魅力が一層高まり、「人が集まる磐田市」に変わっていくことが、未来を持続可能なものにすることだと思っています。

 令和4年度は、市民のみなさんが未来に向かって明るい希望が持てるよう、「安心できるまち・人が集まる磐田市」を目指して、現場との対話や多様な意見とデータを大切にしながら、一歩一歩、職員とともに笑顔で進んでいきたいと考えております。

 最後になりますが、議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

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