遠江国分寺跡整備事業

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ページ番号 1002035  更新日 2024年3月21日

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遠江国分寺に関する各種の情報をこのページで随時お知らせします。

令和5年度遠江国分寺内での再整備工事の実施について

 令和4年度に引き続き、特別史跡遠江国分寺跡の再整備工事を実施いたします。令和5年度は、指定地中央部分を対象として、金堂の基壇(土台部分)の復元工事を行います。作業の際にはご理解をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

金堂整備イメージ図

日程
令和5年9月20日~令和6年2月28日のうち平日(予定)
作業時間
午前8時30分~午後5時(予定)
  •  工事期間中は、公園の中央部分の一部が利用できなくなります。
  •  重機やダンプなど大型車両が出入りするため、散策・通行の際はご注意下さい。
  •  作業の際は大きな音が発生するなどご迷惑をおかけします。
  •  危険なため、工事現場には近づかないようにして下さい。

令和4年度整備工事報告と令和5年度整備工事計画

令和4年度整備事業では、遠江国分寺跡北側に位置する講堂と僧房の木装基壇を整備しました。講堂は僧が経典を学ぶ場で、僧房は国分寺の僧が生活を送った建物です。現地で復元された木装基壇を見て、奈良時代に建てられた寺院建築の大きさや雰囲気を体感できるようになりました。

遠江国分寺跡では引き続き整備工事を行い、令和5年度には寺院の中心建造物である金堂の木装基壇を整備します。金堂では建物の柱を支える礎石や、基壇正面に設置された石階段なども復元する計画です。

磐田市の歴史を物語る特別史跡 遠江国分寺跡は、次世代に守り伝えいくべき大切な文化財です。遠江国分寺跡の歴史的意義や魅力を学び、体感できる史跡公園として整備を進めていきますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

※講堂と僧房の木装基壇はいつでも自由に見学可能です。磐田市の歴史を学ぶ場として、大切に扱ってください。

※史跡公園の地下には、今も遠江国分寺の痕跡が残されています。史跡公園を利用する際は、

史跡の保護にご理解・ご協力いただきますようお願い申し上げます。

※整備工事が始まりましたら、危険ですので工事箇所には近づかないようにしてください。

遠江国分寺跡整備事業整備事業とは?

国分寺は、今から1,300年近く前に聖武天皇の命令によって、国が仏教の力で安定するように願って造られた寺院です。
遠江国分寺跡は磐田市役所の北方に位置し、昭和26年に最初の発掘調査を行い、その翌年には国宝に相当する特別史跡に指定されました。以来、市街地にある史跡公園として市民の皆さんに活用されてきました。
史跡公園として整備されてから40年以上が経過し、今、遠江国分寺跡に新たな姿が求められています。
将来遠江国分寺跡がどのような姿になったらよいか、文化庁や県教育委員会の指導を受けながら、専門家や地元の代表者等で組織する「磐田市遠江国分寺跡整備委員会」で検討してきました。そして、このほど、今後の再整備計画の基本的な内容を定めた「遠江国分寺跡整備基本計画」を策定しました。

「遠江国分寺跡整備基本計画」について

遠江国分寺跡の再整備について、『特別史跡 遠江国分寺跡整備基本構想』を平成17年度に策定しました。平成18年度には、遠江国分寺に関する市民アンケート調査を行ったほか、市民が参加して国分寺跡の将来計画についての意見を交換するワークショップ(意見交換会)を開催しました。
磐田市教育委員会では、平成18~26年度まで、再整備に必要な資料を得るための発掘調査を実施しました。この発掘調査により、全国の古代寺院跡で初めて主な建物の基壇(土台部分)がすべて木装基壇であることなどがわかりました。(発掘調査の概要は、『特別史跡 遠江国分寺跡整備基本計画 わたしたちの国分寺公園』(PDF)に掲載してあります。)
そして、この発掘調査の成果に基づいて、平成29年3月に整備基本計画を策定しました。今後、再整備を行っていく予定です。
一度整備した国分寺跡を再整備するのは、全国で遠江国分寺跡が初めてです。

基本計画(冊子)は、市役所(市役所本庁舎2階市政情報コーナー)・図書館・埋蔵文化財センターで閲覧できます。
概要版は、上記のほか、旧見付学校・旧赤松家記念館・交流センター等で配布しています。

わたしたちの国分寺公園の表紙
『わたしたちの国分寺公園 特別史跡 遠江国分寺跡整備基本計画のあらまし』

遠江(とおとうみ)国分寺跡(こくぶんじあと)から仏像の頭部が出土

国の特別史跡・遠江国分寺跡の再整備にともなう平成20年度の発掘調査の出土品を洗浄したところ、「塔本(とうほん)塑像(そぞう)」と呼ばれる、塔の内部を飾った仏像群のうちの1体の頭部が見つかりました。長さ7.9㎝で、復元すると全長50㎝くらいの座った仏像ではないかと推定されます。

「塑造(そぞう)」という心木(しんぎ)に土を盛って造形する技法で作られたものであるため通常では残らないものですが、塔が火災にあい、素焼きの陶器のような状態になったため残ったものです。奈良時代の仏像の出土は静岡県内で初めて、また国分寺跡からの「塔本塑像」の出土も上野(こうずけ)国分寺跡(群馬県)に続き、全国2例目という、極めて貴重な発見です。

頭部正面写真

頭部横面写真

復元概念図
菩薩として復元した場合
(復元画作成:加藤求美氏)
(復元画監修:松田誠一郎氏)

遠江国分寺跡の発掘調査報告書を販売しています。

平成18年度~26年度に特別史跡指定地内で行った発掘調査の報告書(「本編」「本編補遺・遺物資料編」)を販売しています。
遠江国分寺跡は、主要伽藍の基壇がいずれも木装基壇であることが全国の古代寺院跡で初めて判明しました。
「本編」では、墨書土器や塔本塑像などの主要遺物を紹介しているほか、木装基壇や瓦の分析、新発見の史料について、国内の第一線級の研究者による論考を掲載しています。
「本編補遺・遺物資料編」は、出土した遺物について掲載し、土器や瓦(軒瓦は文様がわかるものを全て掲載)、全国で初めて確認された古代の鉄製の唄金具(釘隠し)や釘などの金属製品、塑像などの図や写真・観察表を掲載しているほか、本編に掲載できなかった土器や瓦についての解説や国分尼寺跡を含めた瓦についての論考も掲載しています。

『特別史跡 遠江国分寺跡 本編』

写真:書籍1
本編

体裁:A4判 本文329ページ、写真図版88ページ 付図1枚
価格:1冊 4,000円(税込み)

『特別史跡 遠江国分寺跡 本編補遺・遺物資料編』

写真:書籍2
本編補遺・遺物資料編

体裁:A4判 本文289ページ、写真図版24ページ
価格:1冊 3,000円(税込み)

販売場所

磐田市埋蔵文化財センター

問合わせ

文化財課(埋蔵文化財センター内、電話:0538-32-9699)

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情報発信元

教育部 文化財課
〒438-0086
静岡県磐田市見付3678-1 埋蔵文化財センター
受付時間:午前8時30分~午後5時15分
電話:0538-32-9699
ファクス:0538-32-9764
教育部 文化財課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。